Haswell搭載NUC見参!! USB 3.0とGbEで「可能性」が大幅アップ!

ちっちゃくても十分な性能。見た目は旧モデルと変わらなくても中身は別物

NUCは、マザーボードのサイズで言うと101.6(幅)×101.6(奥行き)ミリというMini-ITXよりもさらにひと回り小さいフォームファクターで、マザーボード版とベアボーンキット版が用意されている。その小ささゆえに、机上で置き場所を選ばず、あるいは液晶ディスプレイ裏のVESAマウンタに搭載してオールインワンPCのようにも使える新しいスタイルを提案している。

第4世代Coreを採用した最新NUCベアボーンキット「D54250WYK」

第4世代Coreを採用した最新NUCベアボーンキット「D54250WYK」

さて、待望のHaswell版NUCのベアボーンには「D54250WYK」と「D34010WYK」の2製品が用意されている。前者はCore i5-4250U(1.3GHz/最大2.6GHz/2コア、4スレッド/Intel HD 5000)を、後者はCore i3-4010U(1.7GHz/TurboBoost非対応/2コア、4スレッド/Intel HD 4400)を搭載している。今回試すのは前者、Core i5-4250Uを搭載するD54250WYKだ。

従来モデルでは、箱を開くとジングルが鳴り響いたわけだが、今回はどうやら違う。ジングルが鳴るのは箱の中に収められたNUCサイズの紙箱で、その中にはIntel製品を紹介するカードが入っていた。まあ、それは置いておき、肝心のNUCベアボーン本体を見ていこう。

接地面積は116.6(幅)×112(奥行き)ミリで従来のNUC同様

接地面積は116.6(幅)×112(奥行き)ミリで従来のNUC同様

Haswell版NUCのベアボーンキットとしての接地面積は、従来モデルと変わらず116.6(幅)×112(奥行き)ミリだ。しかし新モデルの高さは34.5ミリとなり、39ミリだった従来モデルより若干背が低くなった。ただ、意識するほど薄くなったわけではないし、そもそも十分にコンパクトだ。

内部へのアクセスは底面四隅のネジ4つだけ

内部へのアクセスは底面四隅のネジ4つだけ

インタフェースは、前面にUSB 3.0×2と音声入出力、背面はUSB 3.0×2、ギガビットLAN、Mini HDMI、DisplayPortと電源ジャックとなっている。従来モデルと比較して、USB 3.0対応とそのポート数が増えたのが大きなポイントだ。

従来モデルは転送速度が480MbpsのUSB 2.0で3ポートだったが、5GbpsのUSB 3.0×4ポートに増えたことで内部ストレージをUSB 3.0外付けHDDなどで補うことができ、快適度は高まった。また、有線LANが搭載されたことで、無線LANに縛られたり、あるいはUSB→LAN変換アダプタを用意する必要もなくなった。

本体前面にはUSB 3.0×2

本体前面にはUSB 3.0×2

ただし、ディスプレイ出力端子のMini HDMIはあまり普及している規格とは言えず、Mini HDMI→HDMI変換アダプタはやや入手性が悪い。むしろMini DisplayPort→HDMI変換アダプタのほうが入手性がよいのではないだろうか。

背面には右からUSB 3.0×2、LAN、Mini HDMI、DisplayPort、電源ジャックで、その上に排気口を備える。このほか左側面にセキュリティロックスロットがある

背面には右からUSB 3.0×2、LAN、Mini HDMI、DisplayPort、電源ジャックで、その上に排気口を備える。このほか左側面にセキュリティロックスロットがある

内部にも変更点を見つけた。目立つところではSATAポートとSATA電源コネクタがある点だ。D54250WYKをそのまま組む場合には活用しようがないが、フタ部分のネジ穴を流用し、内部スペースを拡大するようなアクセサリが登場すれば、あるいは2.5インチSATAドライブが搭載できるようになるのかもしれない。

ストレージ用mSATA/Mini PCIeカードスロットに、無線LAN用のハーフサイズMini PCIeカードスロット、DDR3 SODIMMスロット×2は従来同様。しかしSATA/SATA電源コネクタが追加され、従来のベアボーンキットでは省略されていたUSBピンヘッダも実装されている

ストレージ用mSATA/Mini PCIeカードスロットに、無線LAN用のハーフサイズMini PCIeカードスロット、DDR3 SODIMMスロット×2は従来同様。しかしSATA/SATA電源コネクタが追加され、従来のベアボーンキットでは省略されていたUSBピンヘッダも実装されている

ピンヘッダでも、従来のベアボーンキット版では省略されていたUSBピンヘッダが実装されていた。ただ、密度の高いピンヘッダであるため、通常のマザーボード用USBピンヘッダ→USB端子変換ケーブルは利用できそうにない。専用品の登場を待つしかなさそうだ。そのほかの部分は従来モデルと同様で、DDR3 SODIMMスロットが2基、ハーフサイズのMini PCIeカードスロットとその上に通常サイズのMini PCIe/mSATA共用スロットが用意されている。

今回の評価機は、無線LAN Mini PCIeカードの「Intel Dual Band Wireless-AC 7260+Bluetooth」と、mSATA SSDの「Intel Solid-State Drive 530」(SSDMCEAW180A4)を搭載してテストしていく。前者はIEEE802.11acに対応する最新の無線LANカードだ。ただし、アンテナ端子は2×2で、最大867Mbpsとなる。Bluetooth側はVer. 4.0に対応している。一方、後者のSSDは最新シリーズの180Gバイトモデルで、シーケンシャルリードは540Mバイト/秒、同ライトは480Mバイト/秒が公称値だ。このほか、メモリはCrucialのDDR3L-1600 4Gバイト×2枚キットを使用した。こちらは駆動電圧が1.35ボルトと、通常のDDR3メモリの1.5ボルトよりもやや低いのがポイント。なお、これらはキットには付属しないのでユーザー自身で入手する必要がある。

評価キットに付属した無線LANカードとmSATA SSD、DDR3L-SODIMM×2枚。逆に言えば、このあたりのパーツをそろえるだけでハードとしてのNUCベアボーンは完成する

このほかのNUCベアボーンキットとしての付属品は、VESAマウントプレートと、ACアダプタのアダプタ部分といった具合で従来同様だ。ACアダプタは今回も3極の「三つ葉」タイプだ。

65ワットACアダプタ
65ワットACアダプタ

CPU、GPUともにHaswell搭載を実感するパフォーマンス

それでは、ここからはベンチマークでパフォーマンスを計測していきたい。OSは、最新ということならばWindows 8.1を用意するところだが、今回はベンチマークの都合上、64ビット版Windows 8 Proを用いた。

D54250WYKの搭載するCPU「Core i5-4250U」は、CPU-Zによると、TDPが15ワット、コア電圧が0.896ボルト、L3キャッシュは3Mバイトとなっている。一方、GPU-ZによるGPU仕様は「Intel HD 5000」で、EUは40基搭載している。GPUクロックは定格200MHz、最大1GHzとなる。

なお、Core i3モデルの「D34010WYK」はIntel HD 4400のEU20基となるので、このあたりでグラフィックス性能が大きく変わることになる。いわば、D34010WYKは従来のIvyBridgeのCore i7レベル、D54250WYKは大きくグラフィックス性能が向上したモデルといえるだろう。Haswellの強化ポイントの最たるものがグラフィックス機能であることからも、Haswellを満喫するならCore i3モデルよりもi5モデルのほうがよい。

Windows エクスペリエンスインデックスのスコアは、プロセッサが6.9、メモリが7.5、グラフィックスが5.3、ゲーム用グラフィックスが6.5、プライマリハードディスクが8.1となった。HDDとメモリが突出しているが、ここはユーザーが変更できるところ。肝心なのはプロセッサとグラフィックスだが、実は従来モデル「DC3217BY」(Core i3-3217U)よりもグラフィックスの値が0.1低い。ただし、プロセッサ(DC3217BYでは6.3)とゲーム用グラフィック(DC3217BYでは6.3)は従来モデルを上回っており、グラフィック値の低下は低省電力化のための措置であると考えられる。

CINEBENCH R11.5では、Multi CPUが2.52、Single CPUが1.15となった。Core i3-3217U 1.8GHz駆動の従来モデルを当然、軽く上回っている。CINEBENCH R15では、Multi CPU時が232CB、Single CPU時が102CBとなった。Multi CPU時のクロックを計測してみると、2.3GHz近くで推移しており、これがパフォーマンスアップの大きな要因であると考えられる。

PCMark 7のスコアは、4954 PCMarksで、DC3217BY時の4171 PCMarkよりも大幅アップを実現した。PCMark 8では、Homeスコアが2756、Creativeスコアが2522、Workスコアが4200となった。Haswellでグラフィックス性能が向上したものの、やはり統合グラフィックス機能なので2Dがメインであり、2D作業中心のWorkはスコアが高め、3Dが関わってくるHomeやCreativeはスコアが低めとなっているようだ。

逆に、オフィス業務であれば十分なパフォーマンスがこのサイズで実現できているともいえる。3Dパフォーマンスはせいぜい「そこそこ」レベルだが、これを3DMark 11で計測してみるとE1836 3DMarksだった。DC3217BY時はE1129だったため、2倍まではいかないが大幅に向上した。合わせて最新版3DMarkのスコアも紹介すると、Ice Stormが34566、Cloud Gateが4330、Fire Strikeが702となった。

ストリートファイターIVベンチマークでは、1366×768ドット程度までなら標準設定で60fps近くとなり、解像度とオプション次第で軽めのタイトルが楽しめそうな印象。HMFベンチマーク【大討伐】は、低解像度でもまだ少々グラフィックがカクカクするシーンが見られた。また、ドラゴンクエストXベンチマークでは、1280×720ドットの標準画質で「快適」が、1920×1080ドットの標準画質で「普通」が得られている。ただ、「普通」では「グラフィックス設定や解像度を少し下げると、快適に動作すると思われます」なので、楽しめるギリギリのラインといったところだ。

ファイナルファンタジーXIVベンチマークも1280×720ドット、標準品質なら「やや快適」という判定。ただし28fps程度なので、少し高負荷なシーンでは描画がカクカクしだすので、ストレスに感じた。ほか、信長の野望 創造ベンチマークはフルHDの最高画質設定でもおよそ40fpsで推移し、こちらなら十分に楽しめそうだった。

なお、動作音に関しては、従来モデル同様の冷却機構を採用しているため、負荷がかかるとやや耳障りなファンノイズが聞こえてくる。また、3DMarkやPCMarkなどのベンチマークを連続稼働させると、熱暴走する傾向は変わらないようだ。ただ、mSATA SSD部分に熱伝導シートが張られるなど、それなりの対策はされているようで、一般的な利用方法での不安は感じなかった。

インタフェースの強化で従来モデルの不満が一気に解消!

あいかわらず、NUCは小さい割にmSATA SSDとDDR3 SODIMMを組み込むだけ(必要に応じて無線LANカードも)の手軽さで簡単に組める。そのうえ、HaswellのCore i5とIntel HD 5000という組み合わせとなったことで、パフォーマンスの向上はハッキリと感じられる。統合GPUに限られるため、ゲームではまだまだ2D中心、あるいはシミュレーションなど、かなり軽めのタイトル中心の楽しみ方になりそうだが、高望みをしなければ案外快適だ。

それよりも、新モデルはインタフェースの強化が1番のポイントだ。USB 3.0が4ポートもあるため、外付けによる拡張での快適度が増し、LANポートを備えたことで自宅サーバとして使うにも十分なネットワーク帯域を得ることができる。かつて弱点だったところの多くが改善され、可能性が大幅に広がったのだ。

ただし、実はDisplayPortがThunderbolt対応ではない通常のDisplayPortになってしまっている。ThunderboltはIntelが旗振り役なのだが、さすがにインタフェースの強化に対し詰め込むスペースがなかったのだろうか。少し惜しいところだが、USB 3.0で補える部分ではあるし、実質的にマイナス要素とはいえないだろう。D54250WYKならそれだけで十分に満足できるPCを組むことができる。この冬のセカンドPCとしてオススメしたい。

og_nuc_024

スポンサーリンク
sponsored link

シェアする

フォローする

スポンサーリンク
sponsored link